004-鉄分サプリメントの罠

鉄分のサプリメントを探し始めたのだが、あまり気力がなかったので、簡単に手に入るものを使おうと思った。すでに毎月購入しているサプリメントが他にあったので、同じサプリメント通販会社から買えるものにすれば、いろいろと手間が省ける。一般的なヘム鉄のサプリメントを購入し、飲み始めた。

話が少し前後するが、心療内科に通い始めたのは、この頃だった。

わたしにとって、人に自分のことを話すこと、理解してもらおうとすること、は、とてつもなくエネルギーを要するように感じる。長年、自分の感じていること、思っていることを言葉にする努力をたくさんしてきたから、今ではかなり言語化できるようにはなっているけど、それでもそれは自分にとっては「頑張って」やっていることだ。だから、パラドックスのようなことを言うけれども、心療内科への通院が必要になるような状態にあるときに、心療内科に行って自分の状態を説明するのは、とても負担に感じる。

行こうとすると気が重く、胸のあたりが気持ち悪かったり苦しかったりした。休職手当ての手続きをしてもらうには診断を受けなければいけなかったので、頑張って行ったけど。

心療内科に行ってからも、胸のあたりが気持ち悪かったり苦しかったりする状態は続いた。それまでのストレスもあったし、胃の調子も悪くなってるな、と思い、胃薬を飲み始めた。以前、飼っていた犬が突然旅立ってしまったときにも同じような症状があり、しばらく胃薬を飲んで治ったので、同じように治ると思っていた。

だけど、しばらくしても胃の調子は良くならず、激しくお腹を下したり、お腹に力が入らずフラフラになったりする日も出てきた。休職しているとお金の心配もあるし、今後仕事ができるようになるんだろうか、と考え出すと止まらなくなったりもしていたので、そのストレスのせいで胃腸の調子が戻らないのだと思っていた。他の理由があろうとは思いもしなかった。

ある日、もっと安価で良い鉄分サプリメントがないかと調べていたときに、誰かのレビューか何かで、鉄分のサプリメントで胃が荒れる場合がある、という話を見かけた。

一般的に普通に売られているサプリメントにそんな副作用があるなんて。

思いがけない驚きだったが、鉄分のサプリメントを止めると案の定、胃薬が効き始め、お腹を下すこともなくなってきた。今まではサプリメントで胃を荒らしながら胃薬で胃を治していたのか。それはなかなか治らないはずだった。

しばらくは胃腸の調子を戻すことに専念することにした。

でも、鉄分のサプリメントを飲めないなら貯蔵鉄を増やせない。長年の不調を改善できるかも?という希望が、少し見えにくくなった。

Image: By Anastasia Gepp from Pixabay

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